まさしの鼻毛は小畑常五郎が16~17歳の頃に書いた、初作品である。
この作品は、当時流行っていたようなどことなく右膝がかゆい風潮、
ほのかに香るたくあんの臭いから感じ取れるように、まさに時代を象徴している作品と言える。
同時期の文学作品、過去から現在まで遡っても唯一無二のごぼう臭を纏った作品とも言い変えることができる。
特筆すべきは、まさしの存在である。
まさしという根幹がありながらも、ジョンソンやひではる、みち子など、グローバルでトランザクションなキャラが彩っているのである。
こんな作品は、もう二度と出てこないであろう。
高校生という多様な時期には、水虫になってしまったり、ある日急に海岸沿いでひじきバーベキューをしたくなったりすることもあるだろう。
そんな辛い時には、まさしの鼻毛を手に取ってほしい。
きっと、毎日の弁当の中身がひじきだけになったり、
猛烈な足のくさみが頭から離れないような、新しい世界が君の前に開けるはず。
2018.02.01 小畑常五郎 大根おろしをすすりながら書斎で一筆。